サイエンス入門
T・U巻の構成
[T] 第1講 エネルギーと仕事率と爆発の物理 第2講 原子と熱 第3講 重力と力と宇宙 第4講 原子核と放射能 第5講 連鎖反応と原子炉と原子爆弾 第6講 電気と磁気 第7講 波──UFO、地震、音楽など
[U] 第8講 光 第9講 不可視光 第10講 気候変動 第11講 量子物理学 第12講 相対性理論 第13講 宇宙
T巻目次
はじめに 3
本書を読む前に 22
第1講 エネルギーと仕事率と爆発の物理 25 @ 爆発とエネルギー 28 「エネルギー」と「熱」の定義(覚える必要なし) 29 物質のエネルギー量を比較する 30 エネルギーの比較表に基づく検討 31 ◎TNT (火薬の主成分)vsチョコチップクッキー ──クッキーのほうが4〜8倍エネルギー量が多い 33 ◎電池 vs ガソリン ──車のバッテリー(電池)には同重量のガソリンの340分の1の エネルギーしかない 36 ◎電池式自動車──短所、長所、理論的可能性 37 ◎電気自動車の将来性──カギは電池の性能向上とコスト 38 ◎ハイブリッド車 39
◎水素 vs ガソリン ──水素を燃料電池で使用する場合を含めた検討 40 ◎ガソリン vs TNT 42 ◎ウラニウム vs TNT 44 石炭──低コストだが汚染の問題あり 45 エネルギーのさまざまな形態 ──食物エネルギー、運動エネルギー、核エネルギー 48 エネルギーは「保存」される 50 エネルギーを測定する際の方法と単位 52 A 仕事率 54 仕事率とは?──エネルギーが移動する速度のこと 54 仕事率の単位──ワットと馬力 54 仕事率の実例と、その比較 56 ◎太陽光と太陽エネルギー──理論的可能性と問題点 59 ◎人力 61 ◎ダイエット vs 運動 62 ◎風力 64 運動エネルギー──計算法と特徴 65 ◎爆薬を使わず運動エネルギーで物体を破壊 ──スマートロックとブリリアントぺブル 68 ◎恐竜を絶滅させた小惑星の運動エネルギーの計算 69
第2講 原子と熱 73 @ 熱に関する4つの疑問 74 A 原子と分子と熱の正体 75 音速──分子の速度とほぼ同じ秒速330メートル 79 光速──秒速3億メートルは速いか遅いか 81 熱が持つ膨大なエネルギー 82 ラジオの雑音とテレビの砂の嵐──原因は中を飛び回る電子 83 B 温度 84 温度とは?──運動エネルギーを測定したもの 84 熱力学の第0法則 ──接するもの同士は同じ温度になろうとする 85 ◎第0法則に従って宇宙に逃げた、地球の水素 87 ◎宇宙の「低温死」とは何か 88 温度スケール 89 ◎摂氏と華氏 89 ◎絶対温度スケール(ケルビン温度スケール) 90 スペースシャトル「コロンビア」の悲劇の原因となった高熱 92 ◎自由選択学習 : くわしい計算 94 熱膨張の実例──橋と歩道のひび割れとニューオリンズの堤防 94 地球温暖化と海水面上昇 97 ◎冷えれば何でも縮むのか? 98 伝導──運動エネルギーの共有と移動 99 固体、液体、気体、プラズマ 100 ◎TNTの爆発──固体が瞬時に気体化し、膨張 103 気体の温度と圧力の関係を表す「理想気体の法則」 105 ◎自動車のエアバッグの膨張の仕組み 106 ◎自動車──ボンネットの下で起きている爆発 106 ◎熱機関とは? 107 ◎有効変換されるエネルギー、むだになるエネルギー 108 ◎熱機関の効率の限界 109 冷蔵庫と熱ポンプ(エアコン) 111 熱力学の4つの法則(まとめ) 114 熱の移動の3つの形態──伝導、対流、放射 115 ◎自由選択学習 : エントロピーと無秩序 116
第3講 重力と力と宇宙 121 @ 重力に関する4つの謎 122 A 重力の基礎知識 124 B 引っ張り合う重力──ニュートンの第3法則 127 C 「無重量」とはどんな状態か 128 軌道飛行する宇宙飛行士は永久落下状態にある 128 衛星と軌道 130 無重量環境での「宇宙の工場」の実現性 133 D 宇宙への脱出 135 地球軌道からの離脱には秒速11キロが必要 135 物を落下させる力──g 136 「Xプライズ」の例の検討 138 ◎自由選択学習 : 100キロメートル落下したときの速度の計算 138 E 空気抵抗と燃料効率 139 「gの法則」──必要な加速力の算出法 140 ◎衛星や宇宙飛行士を大砲で撃ち上げられるか? 142 ◎飛行機の離陸時の加速度の算出 143 円周加速度 144 SFにおける宇宙の重力 146 ブラックホール──強力な重力を持つ 147 F 「運動量」とは何か 150 ◎自由選択学習 : トラックに蚊がぶつかったら 154 G ロケットの原理 155 風船と宇宙飛行士のくしゃみの力学 157 「スカイフック計画」などの実現性 158 イオン・ロケットの可能性 159 H 飛行機とヘリコプターの原理 160 熱気球とヘリウム風船の場合 161 「水に浮く」原理との比較 163 高度による気圧変化の影響の算出 164 I 対流とは?──雷雨とヒーターを例に 166 ハリケーンと高潮 167 J 「角運動量」と「トルク」 168
第4講 原子核と放射能 173 @ 放射能 174 原子と原子核の構造 174 元素と同位体 179 放射線とは? 放射能との違いは? 181 放射線の単位──レムとシーベルト 183 ◎放射線の50%致死量は300レム(3シーベルト) 185 放射線とガン 186 ◎線形仮説──ごく低い線量でも発ガン効果ありとする仮説 188 ◎X線の妊婦と胎児への影響 191 ◎X線写真撮影によって高まる発ガン率の計算 192 放射線によるガンの治療 193 放射能汚染爆弾 194 放射線とは何か?(まとめ) 196 人体にも放射能がある 199 「半減期」という不思議な現象 201 ◎放射性崩壊──放射能の減少 202 ◎原子核は死ぬが、年はとらない 204 ◎放射能による年代測定法 204 環境放射能 207 ◎生活の中での被爆 207 ◎地球内部の放射能──火山熱、ヘリウムなど 208 ◎ほとんどの原子が放射性でないのはなぜか 210 ◎自由選択学習 : 放射能の原因──「弱い力」とトンネル現象 210 放射能は感染するか 213 放射能による犯罪捜査──「中性子放射化」 214 プルトニウムの特性 215 A 核分裂 216 B 核融合 218 メガ電子ボルト(MeV)という単位 220 なぜ世界はおもしろいのか──核融合と世界の多様性 221 ◎自由選択学習 : 核融合のくわしいプロセス 222 なぜ地球上では核融合が起こらないのか 223 太陽はどうして核融合を起こすほどの高温になったのか 224
第5講 連鎖反応と原子炉と原子爆弾 227 @ さまざまな連鎖反応 228 チェス盤で理解する連鎖反応の基本 228 核爆弾──核分裂の連鎖反応 231 胎児──子宮の中の連鎖反応 234 ガン──望まざる連鎖反応 235 大量絶滅からの生物の連鎖反応的再繁殖 236 DNA指紋法──ポリメラーゼ連鎖反応(PCR) 238 ◎PCRの応用 : 無罪か有罪か ; トマス・ジェファーソンとサリー・ヘミングス 239 病気と流行──ウイルスやバクテリアの連鎖反応 241 コンピュータウイルス──電子の連鎖反 242 なだれ──岩や雪の連鎖反応 243 稲妻──電気のなだれ的連鎖反応 243 ムーアの法則──コンピュータの指数関数的成長 244 A 核兵器の基礎知識 246 臨界質量──連鎖反応に十分な核物質の量 247 ウラン爆弾とは 248 プルトニウム核分裂爆弾とは 250 水素爆弾とは 253 ◎強化原爆 256 米国とロシアの現在の核兵器保有量 256 B 原子炉 259 原子炉とは 259 原子炉は原爆と同じように爆発するのか 261 ◎自由選択学習 : 低速中性子とウラン235 262 プルトニウム製造のプロセス 263 ◎増殖炉とは? 長所と短所 265 プルトニウムの危険性 266 17億年前のアフリカの天然の原子炉 269 原子炉で必要となる燃料の量 270 ◎自由選択学習 : ウラン235の必要量の計算 271 C 放射性廃棄物 272 チャイナ・シンドローム──想定上最悪の原子炉事故 275 ◎チェルノブイリ事故による想定死者数は2万4000人 (線形仮説に従った場合) 277 ◎避難活動のパラドックス──発ガン率1%上昇は多いか少ないか 278 制御核融合発電(コントロールされた水爆)は可能か? ──3つの方法 279 ◎トカマク炉による方法 281 ◎レーザー核融合による方法 283 ◎常温核融合による方法 286
第6講 電気と磁気 291 @ 電気といえば…… 292 A 磁気といえば…… 293 B 電気 293 電気とは「電子の移動」のこと 293 電荷とは「電子が力を及ぼす性質」のこと 294 「電荷は量子化されている」とはどういう意味か 296 電流──電荷を持つ粒子の移動 296 ◎自由選択学習 : 1日1アンペア使いつづけると いくつの電子が流れたことになるか 297 電線──電子を通すパイプ 297 電気抵抗とは 299 抵抗がゼロの物質──超伝導体 300 ◎「高温」超伝導体 301 ボルト──電子エネルギーの測定単位 302 静電気の火花発生のメカニズム 304 C 電力 307 電力(ワット)=電圧(ボルト)×電流(アンペア) 307 静電気は高電圧×低電流。雷は高電圧×高電流 308 電気とカエルの足とフランケンシュタイン 309 家庭の電力 310 高圧送電線──電流量と電力損失を減らせる 311 電気力は電子間の距離の2乗に反比例 312 D 磁石 313 それ自体が磁力を持つ「永久磁石」。 電流を流して磁力をつくる「一時磁石」 313 最古の天然磁石・磁鉄鉱(方位磁石) 314 磁気とは? ──電気の作用の一形態。電荷の移動で電荷間に生じる力 315 メモを貼るマグネットの磁気も、 電流によって生じる 316 仮説上の物体「磁気単極」とは 318 磁力の有効範囲 319 E 電磁場とは 320 F 電磁石 322 エネルギーの損失が少ない超伝導電磁石 323 液体鉄中の電流で生じる地球の磁気 324 磁性物質──鉄の特殊な役割 324 残留磁気 327 磁気記録の原理 328 キュリー温度まで加熱すると磁性は消失する 329 レアアース磁石──ひじょうに強力 330 磁気を利用する潜水艦の探知 330 G 電気モーターの原理 331 H 発電機 332 原理 332 ダイナモとは 333 アインシュタインの謎を解く「地球ダイナモ説」 334 地磁気の逆転 335 地磁気の逆転と地質学 336 地磁気と宇宙線 337 I 変圧器とは 339 テスラコイル 340 J 磁気浮上 341 K レールガン 343 L 交流vs直流 344 エジソンとテスラの確執 345
第7講 波──UFO、地震、音楽など 349 @ 奇妙だが本当にあった2つの話 350 ニューメキシコ州ロズウェルに墜落した空飛ぶ円盤 350 第二次大戦中にパイロットを救った奇跡の球 352 A 波 354 水の波、音の波、光の波 354 波束──短い波 356 音 357 横波と縦波 362 ◎水面波 363 ◎浅水波 364 ◎津波の特性 365 ◎津波から逃げ切るには 366 波の方程式──速度=周波数×波長 368 音はつねにまっすぐ進むとは限らない 369 ◎「通常大気」の場合 370 ◎夕方の音の場合 371 ◎日中の音の場合・その2 372 ◎夕方の音の場合・その2 372 ◎朝遠くの音が聞こえる日は暑くなる。なぜか 374 奇跡の玉と音響チャンネルの謎解き──収束音 375 ◎奇跡の球SOFARは いかに撃墜されたパイロットを救ったか 376 ◎音響チャンネル内で聞こえるクジラの歌 378 冷戦と音響監視システムSOSUS 379 ふたたびUFOへ──大気中にもある音響チャンネル 380 ◎オゾン──高高度の温度上昇の原因 381 UFO騒動の真相 ──ユーイングのモーグル計画とフライング・ディスク 382 ◎1947年のロズウェルの墜落事故 384 ◎アメリカ政府、ついに真実を語る 385 ◎政府がいまは嘘をついていないとどうしてわかるのか 385 地震 386 地震の震源を特定するには 389 ◎P波 390 ◎S波 390 ◎L波 390 ◎震源までの距離の計算・その2 391 地球内部の液体核 392 波は相殺/増幅する 394 ◎「うなり」とは 397 音楽──音と音程 398 ◎ノイズキャンセリング・イヤホンの仕組み 400 音の波長を算出する 401 ドップラー偏移とは 402 なぜ波は遅い側に曲がるのか──ホイヘンスの原理 403 波の広がり──隙間を通ると波は広がる 405 |