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『カリフォルニア大学バークレー校特別講義 エネルギー問題入門』
著:リチャード・A・ムラー
訳:二階堂行彦
刊行日 2014/7/2
四六判(188×130)ハードカバー。400ページ。1色刷。
ISBN978-4-903063-65-2 C0040
定価(本体1900円+税)

 

シェール革命、地球温暖化、

原子力、自動車産業の未来──

誰もが無関係ではいられない

「エネルギー問題」の全体像を

米国エネルギー省顧問も務める

UCバークレー人気No.1教授が

わかりやすく解説。

 

内容より:

・エネルギー問題の大原則は「エネルギー安全保障」と「温暖化対策」のバランスをどうとるか。

・電気については人類はまだ石器時代の段階にいる。改善の余地は大きい。

・シェールガスは画期的。だが長期にわたっては持続できない。

・シェールオイルはシェールガス以上のインパクトをもたらす。在来型の石油を主要エネルギー源の座から追い落とす可能性が高まっている。

・電気自動車ほど誇大宣伝がまかり通っている分野はない。電気自動車は主流にはならないだろう。温暖化対策としても効果はほとんどなく、自己満足にすぎない。

・電気自動車とは対照的に、ハイブリッド車は間違いなく、もっと広く普及する。

・温暖化の行方は中国などの新興国次第。米国がCO2を10%削減しても、中国の六か月間の排出量の増大で帳消しになる。新興国に石炭から天然ガスへの転換をうながし、技術支援をすべき。

・特定の国がどうあれ、世界では原子力開発が続いている。東芝などが開発する新世代の原子炉には、原理的に固有の安全性がある。

・核廃棄物貯蔵の問題は技術的には解決済み。問題は公共認識と政治的駆け引き。

・人は自分が好きな技術はすぐ進歩すると思い込みがちである(楽観主義バイアス)。逆に自分が嫌いな技術については問題を克服できないと思い込みがちである(懐疑主義バイアス)。これらはいずれも避けなければならない。

 

 

著者紹介
リチャード・A・ムラー(Richard A. Muller)
カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)物理学教授。バークレー校で行なっている科学入門講義は「学生が投票で選ぶベスト講義」に選出された。その後同講義がYouTubeで公開されるや評判は世界に広がり、87ヵ国の人々から称賛と感謝の声が著者の元に寄せられた。本書は同講義をベースに、テーマをエネルギー問題に絞って作成されたもの。著者はまた30年以上にわたり米国政府機関(エネルギー省、NASA、国防省)の顧問を務めており、米国国会の要請で行われた地球温暖化の証拠見直し作業においては審査官も務めた。現在、ノーベル物理学賞受賞者ソール・パールマッターらとともに、地球温暖化に関する独立研究機関「バークレーアース」を運営している。日本では、NHK「バークレー白熱教室」の講師としても知られる。

原著
Energy for Future Presidents, W. W. Norton, 2013

訳者紹介
二階堂行彦(にかいどう・ゆきひこ)
翻訳家。主な訳書に、キティ・ファーガソン『光の牢獄──ブラックホール』(ニュートンプレス)、『スーパーヒューマン──人体に潜む脅威のパワー』、ダイアン・アッカーマン『いのちの電話──絶望の淵で見た希望の光』(以上、清流出版)、リチャード・ムラー『今この世界を生きているあなたのためのサイエンスI・II』『サイエンス入門I・II』(楽工社)などがある。

目次

まえがき 7
はじめに 12

第1部 エネルギー災害 19
 第1章 福島原発事故 22
  メルトダウン 22
  放射能放出 27
  放射能がもたらす死 29
  デンバー線量 32
  最終結論:わたしたちはどうすればいいのか? 37

 第2章 メキシコ湾原油流出事故 40
  ディープウォーター・ホライズンの事故 44
  被害 48
  医原病 51

 第3章 地球温暖化と気候変動 56
  地球温暖化入門 57
  ティッピングポイント 72
  地域的変動 74
  ハリケーン 76
  竜巻 79
  極地の温暖化 80
  ホッケースティック 83
  海面上昇 86
  もし地球温暖化が脅威になるとしたら
  ──わたしたちはそれを止められるのか 88
  地球工学 97
  地球温暖化論争 99

第2部 エネルギー景観 105
 リサイクルされるエネルギー 110
 エネルギー安全保障 112

 第4章 天然ガス・思わぬ儲けもの 118
  水圧破砕と水平掘削 124
  シェールガスの埋蔵量 128
  海洋に眠るメタン 130
 
 第5章 液体エネルギー安全保障 134
  ハバート・ピーク 138

 第6章 シェールオイル 143

 第7章 エネルギー生産性 147 
  ノーリスク、非課税、
  年間純益一七・八パーセントの投資 149
  ノーリスク、非課税、
  年間純益二〇九パーセントの投資 154
  国ぐるみのエネルギー生産性政策 157
  そのほかの重要な投資 161
  クールルーフ/自動車の燃費の向上
  エネルギー効率のよい冷蔵庫
  マッキンゼーチャート
  環境にやさしそうでやさしくない対策 170
  バス/再生紙
  停電 172  
  スマートグリッド 177
  ケーススタディー
  カリフォルニアのスマートメーター

第3部 代替エネルギー 181
 第8章 太陽電池の急成長 188
  太陽光の物理 188
  太陽熱発電 190
  太陽電池 193
  シリコン/CdTe(テルル化カドミウム)
  CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン)
  多接合太陽電池
  太陽電池に関する概要 204

 第9章 風力 206

 第10章 エネルギー貯蔵 215
  電池 215
  電池の物理と化学/将来の電池
  風を瓶詰にする:
  圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES) 220
  フライホイール 222
  スーパーキャパシタ 225
  水素と燃料電池 227
  天然ガス 227
  
 第11章 原子力開発の急発展 229
  原子炉の爆発 230
  コスト 235
  小型モジュラー原子炉 238
  ウラニウムが枯渇する? 247
  核廃棄物貯蔵 248
  原子力開発の急発展 252

 第12章 核融合 255
  トカマク炉 258
  米国国立点火施設(NIF) 262
  ビーム核融合 266
  ミューオン核融合 269
  常温核融合 273

 第13章 バイオ燃料 280
  コーンエタノール 281
  生分解性素材はよくない? 283
  バイオ燃料モドキ 284
  セルロースからつくるエタノール 286
  藻類からくるエタノール 288

 第14章 合成燃料とハイテク化石燃料 290
  合成燃料 291
  炭層メタン 294
  炭層ガス化 295
  原油の増進回収(EOR) 297
  オイルサンド 298

 第15章 代替エネルギーのそのまた代替案
  ─水素、地熱、潮流、波力 301
  水素 301
  地熱 305
  潮力 309
 波力 313

 第16章 電気自動車 316
  電気自動車ブーム 319
  テスラロードスター/シボレーボルト/日産リーフ
  プラグイン・ハイブリド電気自動車 324
  鉛酸バッテリー 325  
  再充電時間 327
  燃費効率 328
  普通のハイブリッド車 329
  バッテリーの問題 332

 第17章 天然ガス自動車 334

 第18章 燃料電池 338

 第19章 クリーンな石炭 346

第4部 エネルギーとは何か 355
  エネルギーの特性 357
  食品と燃料と物体のエネルギー
  エネルギーとは物なのか?
  エネルギーの意味 361
  高校生や大学一年生が学ぶエネルギー
  大学二年生が学ぶエネルギー
  大学三年生が学ぶエネルギー
  大学四年生と大学院生が教わるエネルギー
  エネルギーの美しさ

第5部 未来の指導者への
  アドバイス 369
  エネルギー技術政策 373
  エネルギー生産性/天然ガス
  シェールオイル/合成燃料
  ハイブリッド車とプラグイン・ハイブリッド車
  原子力
  考慮すべき重要事項 378
  地球温暖化と中国
  エネルギー生産性に関する追加情報
  電力網とベンチャービジネス投資
  助成金/エネルギー災害
  要注意事項 384
  流行り物に要注意
  リスク便益の計算に要注意
  予防原則に要注意
  楽観主義バイアスと懐疑主義バイアスに要注意
  スローガンに要注意
  指導者が未来に遺すもの 389

注 394

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