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『赤ちゃんの脳と心で何が起こっているの?』

著:リザ・エリオット
日本語版監修:小西行郎
訳:福岡洋一
刊行日 2017/10/27
A5判(210×148)ハードカバー。691ページ。本文1色刷。
ISBN978-4-903063-79-9 C0047
定価(本体3200円+税)


妊娠初期から5〜6歳児までのための

「科学的」育児書の決定版



脳科学者であり、3人の子どもの

母親である著者が

〈赤ちゃんの脳と心の発達メカニズム〉を

詳しく解説。 科学的根拠を示しながら、

〈健康で賢い子に育てるために

親に何ができるのか〉を紹介する。



エリック・カンデル博士(ノーベル生理学・

医学賞受賞/脳科学者)推薦!

「有益な素晴らしい本。

すべての親が読むべきだ」



<著者紹介>
リザ・エリオット(Lise Eliot)
ロザリンド・フランクリン医科学大学シカゴ・メディカルスクールの神経科学教授。シカゴに生まれ、ハーバード大学を卒業後、コロンビア大学で博士号を取得。ヒューストンのベイラー医科大学での博士研究員などを経て、現職。初めての著書である本書は多くの読者から好評をもって迎えられ、その質の高さから、米国をはじめとする世界各国で長く読み継がれるロングセラーとなっている。大学での研究・教育活動のかたわらで、子どもの脳とジェンダーの発達についての執筆・講演活動を行なっている。 夫と3人の子とともに、イリノイ州レイクブラフに在住。

<日本語版監修者紹介>
小西行郎(こにし・ゆくお)
小児科医。日本赤ちゃん学会理事長。1947年香川県生まれ。京都大学医学部卒業。1990年より、文部省在外研究員としてオランダのフローニンゲン大学で発達行動学を学ぶ。2001年、赤ちゃんをまるごと考える“日本赤ちゃん学会”を創設。2008年10月より同志社大学赤ちゃん学研究センター教授、センター長。2013年4月より2017年3月まで、兵庫県立子どもの睡眠と発達医療センターのセンター長(2017年6月現在、参与)。著書に『赤ちゃんと脳科学』(集英社新書)、『今なぜ発達行動学なのか──胎児期からの行動メカニズム』(診断と治療社)など。

<訳者紹介>
福岡洋一(ふくおか・よういち)
1955年生まれ。大阪大学文学部卒(英語学)。翻訳者。訳書に、『ビーイング・デジタル』(アスキー)、『「複雑系」を超えて』(アスキー、共訳)、『古代文明の謎はどこまで解けたか T〜V』(太田出版)、『幻想の古代史(上・下)』『世界史(T・U)』(いずれも楽工社)など。

原著: WHAT`S GOING ON IN THERE? : How the Brain and Mind Develop in the First Five Years of Life ,1999

目次

 

目次

第一章 生まれか育ちか──すべては脳に 16

第二章 脳の発達 30

脳はどのように作られるか 36
発生と進化 38
胎児の脳 40
ニューロンの誕生と成長 45
使わないものは消えていく
──脳の配線における自然選択 50
髄鞘形成──配線を絶縁する被覆 56
発達する心の地図としての
局所的な脳の発達 58
脳の配線増大の臨界期 62

第三章 出生前の脳への影響 64

神経管閉鎖障害(NTD) 69
発達中の脳に対する栄養の効果 73
母親の摂取する薬物と化学物質の影響 78
アルコール/タバコ/非合法な薬物/カフェイン/アスパルテーム/グルタミン酸ナトリウム(MSG)/乳幼児期におけるアスパラギン酸とグルタミン酸/その他の化学物質/鉛
電離放射線 96
非電離放射線 99
非電離性電磁放射/マイクロ波とラジオ波/テレビやコンピュータ・ディスプレイ/超低周波電磁放射──送電線と電気毛布/磁気共鳴映像法(MRI)/超音波
母親の感染症 109
風疹/サイトメガロウイルス/トキソプラズマ症/性器ヘルペス/水痘/梅毒/インフルエンザ
母親のホルモン、感情、ストレス 115
母親のストレスの影響/胎児期のストレスと性的志向/母親の運動は有益か、それともストレスになるか/胎児期のストレス──まとめ

第四章 出産が脳に与える影響 134

胎児の脳が分娩のきっかけを作る? 135
出産が赤ちゃんの脳に及ぼす良い影響 137
誕生直後は親子の絆を育む重要な時間? 140
赤ちゃんの脳に対する出生時の危険 141
分娩時外傷/出生時仮死と脳性麻痺/胎児モニタリングの利点と問題点
出産時の選択──産科医療に広く使われる薬や処置 151
逆子の場合の最も安全な出産方法は?/鉗子/産科用医薬品──鎮痛薬と麻酔薬/全身性鎮痛薬/硬膜外ブロック/全身麻酔/母親への麻酔についての考え方
まとめ 165

第五章 触れることの重要性 166

触覚の仕組み 167
体性感覚地図を形成する際に
初期の経験が果たす役割 170
触覚はどのように発達するか 174
赤ちゃんはなにを感じているか 176
痛覚の発達 178
痛みの心理学
温度覚の発達 183
母親が新生児に触れることのメリット 185
触れることの治療効果
──初期の接触とマッサージが
  子どもの成長と発達を促す 188

第六章 赤ちゃんはなぜ跳ねるのが好きなのか

──早期の平衡感覚と運動感覚 194
前庭感覚 195
前庭系の発達 198
胎児期の前庭系の脆弱さ 200
前庭機能の発達 201
前庭系の発達と脳の他の領域 204
前庭を刺激することの利点 205

第七章 嗅覚による初期の世界 210

嗅覚はどのように働くか 211
嗅覚系の発達 214
嗅覚系の発達における可塑性
子宮内で感じる匂い 217
胎内で経験する嗅いが及ぼす影響
新生児はどんな匂いを嗅ぎ分けられるか? 220
母親の乳房の匂い
嗅覚における性差 223
快・不快の感覚の発達 224
嗅覚に関わる初期の学習と、
絆や社会的発達における役割 225
匂いの世界 227

第八章 味覚、乳、食物の好みの起源 228

味覚の働き 229
味を感じる能力は胎児にも 232
出生前の味覚の機能は何か?
新生児はどの味を感じるか? 234
赤ちゃんは味を意識的に知覚している?
味覚の変化 236
子どもが(そして大人も)甘いものを好む理由 238
授乳が与える快感
脳の発達に対する母乳の特別な効果 242
タウリン/脂質/母乳に含まれる栄養素以外の成分
母乳と初期の味覚経験 252
アルコールと母乳 253
初期の味覚体験はその後の嗜好に影響する? 255
子どもの脳と大切な味覚 257

第九章 視神経と脳 260

視覚の働き 261
左右の分離/「what」と「where」──脳における視覚処理の役割分担
視覚系はどのように発達するか 268
正しく配線する
──視覚における「生まれ」と「育ち」の役割 272
誕生直後のネコの目をふさぐ実験/視覚の発達における臨界期/初期の経験と視覚の発達
視覚はどのように向上するか 277
新生児には何が見えているか/目の動きと注視する能力の成熟/視力の着実な向上/周辺視/不可避的な注視──なぜ赤ちゃんはこちらを見つめるのか/色覚/両眼視と奥行き知覚の始まり/顔の認識
視覚の発達における性差 292
視覚の異常 293
先天性白内障/斜視
視覚の発達と他の脳領域との関わり 299

第十章 聴覚の発達 300

聴覚の働き 301
聴覚系はどのように発達するか 307
聴覚系の成熟は電気的に調べられる
胎児が聞いているのはどんな音? 310
胎児と早産児の耳に騒音が与えるダメージ
子宮の中での学習 314
新生児が聞くことのできる音 317
聴覚の発達 319
周波数感度/音源位置推定/閾値/時間解像度/騒がしい場所での音の判別
「マザリーズ」での語りかけ 323
聴覚の発達における可塑性と臨界期 324
耳の聞こえない子どもの聴覚野における可塑性
聴覚障害 327
出生前感染/薬と化学物質/周産期の要因/聴覚スクリーニング
中耳感染症 333
聴覚、言語、感情 338

第十一章 運動発達のマイルストーン 340

脳はどのようにして動きを作り出すか 344
胎動とその重要性 350
運動の発達における「生まれ」と「育ち」 352
脳の成熟と髄鞘形成/環境の果たす役割/練習の役割
リーチング(手を伸ばす動作)の発達 362
右利きと左利き
──利き手はどのようにして生じるか 366
歩行の「習得」 370
歩行器は歩行の助けにならない
赤ちゃんの運動発達をどう促すか 376

第十二章 社会的・感情的な成長 380

大脳辺縁系が感情を生み出す仕組み 382
扁桃体──感情脳の門番/辺縁皮質──感情を感じる場所/感情脳における左と右
感情脳の発達 389
感情と記憶
生後六カ月までの大脳辺縁系の発達 391
新生児の社会的・感情的生活/社会的な微笑み/原会話
生後六─一八カ月──愛着、抑制、感情の認識 398
愛着と人見知り
母親が働きに出ること
──他人から世話を受けることが
  愛着や後の感情の発達にどう影響するか 403
ストレス、愛着、脳の発達 408
男児と女児で
社会的・感情的発達に違いはあるか 410
気質の神経学的基盤 414
引っ込み思案か大胆か──気質スペクトラムの両極/臆病さの生理/乳児期からの気質の予測
辺縁系の可塑性
──親の関わりは子どもの人格をどう形成するか 421
社会的隔離と正しく配線されなかったサルの脳/児童虐待と大脳辺縁系への影響/子育てのスタイル/親との感情的な関わりが持つ意味

第十三章 記憶の始まり 430

記憶のさまざまなタイプ 433
大人と幼児期の健忘
脳はどのように記憶を保存するのか 436
脳と記憶の発達 440
胎内記憶 441
生後六カ月までの記憶 443
認知と新奇性選好
幼児の再認記憶と後のIQ 448
テストステロンと記憶の発達 449
生後八カ月以降──想起の始まり 451
遅延模倣/遅延模倣の危険性/再び、言語、想起、幼児期健忘について
記憶能力の訓練──臨界期はあるのか? 457

第十四章 言語と発達中の脳 460

言語はどのように機能するか 464
脳の構造と言語発達 469
言語経験の臨界期 470
初期の隔離と言語喪失/言語の臨界期はいつまでか/脳と臨界期
新生児にとっての言語?
──言語に対応するため、脳は先天的に偏っている 478
生後一八カ月までの言語 481
波長を合わせ、スイッチを入れる(母語を知覚するための神経回路)/喃語/初語
生後一八カ月を過ぎて──文法の爆発的開花 490
言語の個人差
──言語能力における「生まれ」と「育ち」 494
遺伝子の役割/言語と脳における性差/経験の役割/子育てのスタイルと言語学習への影響/言語学習を加速させるには
初期の言語環境を豊かにする方法 506

第十五章 脳の中で知能はどう発達するか 514

知能の神経学的基盤と発達 520
脳の大きさ/頭の回転の速さ/速度の増大/効率性/知能と前頭葉
前頭葉の発達 532
左右半球の知能は同等か 533
脳の発達と認知のマイルストーン 534
驚くべき赤ちゃんの技──乳児の認知的本能に関する最近の発見/生後八カ月──前頭葉始動!/生後一八カ月──言語と自己の感覚/三─四歳──心の発見/六歳──理性の夜明け!
幼児期早期からのIQ予測 547
子どもの脳──賢いか、それとも? 550

第十六章 生まれと育ち、知的発達における性差 554

遺伝子の役割 556
環境の役割 560
フリン効果
知能における性差 565

第十七章 頭のいい子に育てるには 574 

家族の特性
──社会経済的階層、出生順位、母親の就業 575
親の影響 580
栄養 584
活動と物理的環境 587
モーツァルトの音楽が心を育てるというのは本当か
親/保育者のスタイル 592
母親、父親、「フリン効果」
学校教育 599
就学前の教育は子どもの知能を高めるか
「完璧な」親とは? 604

謝辞 606
日本語版監修者 解説──小西行郎 608
原注 673
索引 689

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